フリーライターは原稿のボツをくらうたびに銭戦力が上がっていく生き物

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フリーライターとは編集者とのバトルで強くなる生き物である

フリーライターをやっていると原稿でボツを出されて、「自分はこの仕事向いていないのかなー」なんて悩んだことは誰しもが一度はあるはず。書く才能がないのか、と落ち込んだことがある人は多いのでは?

 

ところで私はドラゴンボールが好きです。私はDBどんぴしゃ世代。

 

子供の頃、お兄ちゃんと「ドラゴンボールごっこ」をさせられ、お兄ちゃんが悟空役をやるために、私は強制的にベジータにさせられていました。なので、今でもベジータが好き。

 

いちばんのお気に入りはクリリンに対して「このオレをはんごろしにしろっ!今すぐだっ!」というフレーズ。こんなに偉そうに自分をはんごろしにしろと命令する人間がいるでしょうか。サイヤ人でなければ、とんでもないドMとしか思えません。そんなところも愛すべきキャラです。




ご存知の通り、戦闘民族であるサイヤ人は「死の淵からはいあがるたびに戦闘力が格段にあがる」という設定で、これ、すごい憧れでした。なんだか頑張った分、強くなるみたいな。このベジータの「はんごろしにしろ」はズルですけど、苦労するとすぐ結果につながるというのは、まさに多くの日本人が好きなシステム。…でも、実際にはドン底を経験したからといって、必ずしも成長できないのが社会の現実。

 

だけど、フリーライターという職業には、ちょっとこのシステム、当てはまります。タイトルに書いた通り、ライターはボツをくらうたびにちょっとだけ強くなっていくんです。

 

せっかく一生懸命書いた文章を、「うーん、ちょっとわかりづらいから直してもらえます?」「この部分、いる?」「文章がくどい!」「あと1時間で直せる?」などなど、編集者はライターに対して容赦なくダメージを浴びせてきます。

 

これ、本当につらくて、あまりにダメージがひどいと再起不能になることも多いのですが、ここで「ちくしょー、じゃあこれでどうだ!」とひん死状態から立ち上がることで、ライターは確実に強くなっていきます。いや、ホントに。

 

ダメ出しという攻撃を食らっても、フリーライターは逃げてはいけない

もちろん普通の会社員だって、上司や取引先からとの戦いの中で、成長していくでしょうが、ライターという仕事の場合、ズタボロから立ち上がることによる成長スピードがもの凄く早いんです。そして銭闘力もどんどん上がっていく。

 

銭闘力といっても、もちろんすぐにギャラ単価が跳ね上がるわけではありません。ただし、収入は確実に上がっていきます。それはなぜか?

 

1つは、仕事を増やしていけるようになるから。毎度毎度、編集者とのバトルを繰り返していくと、次第に戦いに慣れていきます。そうなると、編集者からの容赦ないダメージに対して、全然へこたれなくなってくる。すると仕事がスムーズに回って、ひとつの媒体だけでなく、いろんな仕事を請け負える余力が出てきます。

もう1つの理由は、編集者との「信頼関係」の向上によるものです。バトルといっても、別に編集はライターにとって「敵」ではありません。書籍にしろ雑誌にしろ、編集はより良いものを作りたくて、ライターにあれこれと厳しくしてくるのです。

 

戦うことによって友情や信頼関係が築かれるという、まさに少年ジャンプ的な展開によって、編集者から「今月はもう1本お願いできます?」だったり、「他の媒体でライター探しているみたいなんだけど、○○さん推薦してもいいっすか?」だったり、彼ら彼女らを通して、仕事量(つまりは銭闘力)が増えていきます。

 

なので、特に駆け出しのフリーライターの中には、編集者からダメ出しをくらうことがものすごく苦痛に感じる人は多いと思いますが、絶対に逃げちゃだめです。この編集者と仕事をするとあれこれうるさいからもう仕事をしない、なんてスタンスでは結局誰とも仕事ができなくなり、銭闘力は下がる一方です。

 

自分の書いた文章に難癖を付けられるとプライドが傷つくという人もいると思います。でも、 編集者は一人目の読者。彼ら彼女らが「つまらない」「変えた方がいい」という部分があるならば、これからその文章が世に出た時に同じ感想を持つ読者はきっといるはずです。だから、その指摘にライターは従うべきなのです。そして、編集をうならせるような、素晴らしい直しで「反撃」することがライターとしてのレベルをアップさせるはずです。

 

死の淵から這い上がるたびに強くなる。フリーライターがこうしてズタボロにされながらも成長していく過程は、昔から「復活のF」と呼ばれてきたとか、こないとか(はい、ウソです)。ただ、本当にこうした経験から逃げずに戦うことは、フリーライターを職業にする人にとってすごくメリットの大きいことです。「つれえけど、これも修行だ、いっちょやってみっか!」くらいのスタンスで、編集者からのダメ出しに対して、向かっていくことをおすすめします。

 

ライターを目指す人こそ、編集者についても勉強したほうがいいです。

 

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