ライターに増えてきた撮影依頼。どうする?
最近、ライターの仕事は「撮影」込みでお願いされることが増えています。デジタルカメラの進化や、出版社の経費削減、Webライターという仕事の増加など、理由はさまざまですが、意外とライターにとってこれが「やっかい」だったりします。
ちゃんと上手に撮れるのか……。不安になってしまって、実際の取材はそっちのけで撮影のことばっかり気になってしまう。慣れない人にとっては、けっこうなプレッシャーだったりすることも多いんじゃ?
実は私もそんなひとりで、できれば撮影込みの仕事は受けたくない。やっぱり「文章を書く」がライターの仕事。
でも、どうしてもやらなきゃという場合に気をつけている「カメラ撮影の超初歩的ポイント」を今回は紹介したいと思います。
これだけ知っていればOK!超初歩的ライター向けカメラ撮影術
前提として、そもそも私たちはプロのキャメラマン(和田アキ子風)ではないのです。そこを頭に入れておいてください。キャメラマンではない人に仕事をお願いしているのですから、つまり別に高クオリティを求められていないのです。そりゃ、最低限のものが撮れていれば問題ないわけです。
もしもちゃんとした写真がほしければ、プロのキャメラマンにお願いするはずです。だから、ある意味、テキトーでいいんです。その心構えだけで、だいぶ楽になると思います。
今回紹介するのは本当に超初歩的な話。そもそもカメラ撮影術なんて説明しだしたらキリがないですし、撮影自体のテクニックは書籍でもネットでもいくらでも転がっています。「ちゃんとカメラが上手くなりたい」「もっと極めたい」というライターの方には物足りないと思いますのであしからず。
てなわけで、さくっと説明してきます!
その1、フラッシュは使わないようにする
よくあるのがフラッシュを使ってしまうために、自分がレンズから見ているものと出来上がりが違ってしまうというパターン。プロのキャメラマンたちは一生懸命にストロボを組み立てて光を調整していますが、ライターの場合はたいていデジカメ一台という軽装備。
すると「これじゃ暗いかも?」と不安になってフラッシュを焚いてしまう人も少なくないかと思います。でも、これが失敗のもと。
とにかく自然光、部屋の中だったら蛍光灯の光でいいので、撮影対象にきちんと当たる位置を選んで撮る!これだけ。(特に対象が人物だったら、とにかく顔に光が当たるようにする)これでだいぶマシになります。
その2、寄りで撮る。でも、「なるべく寄り」にする
われわれは素人です。なので「構図」なんてものを考える必要はありません。よく「写真を9分割して、線の交わる位置に対象を置け」なんてことが言われていますが、そんなことをいっちょまえにやろうとする人に限って失敗します。
引きでとれば、それだけ本来、撮る必要のないものが映ってしまい、変な写真になってしまいます。だから「なるべく寄る」のがポイント。
ただ、あまり寄り過ぎるとそれはそれで背景のぼかし具合などの下手さが際立ってしまうので、この「なるべく」というのを心がけます。ちょっとだけ余裕をもたせて「なるべく」寄っておく。
不要なものが映っていたって、後から編集者にPhotoshopなどでトリミングさせちゃえばいいのです。
その3、いろんな角度から撮る
カメラマンに話を聞くと「下手な人こそ、あんまり枚数を撮るな」なんて言われますが、やっぱり枚数が少ないと不安なもの。そこでおすすめしたいのが、「いろんな角度から撮る」ということ。
だいたい正面から10枚撮ったとしても、1枚がダメな写真なら、他の9枚もダメなことが多いです。同じ10枚でも、なるべくいろんな角度から、「10パターンを撮る」というイメージで撮影すると、その中にひとつくらいは使える写真があるものです。
その際に気をつけたいのが、その1とその2で紹介したことを意識しながら、自分が動いて角度を変えること。たとえば人物を撮影する場合なら、一度決めた位置に立ってもらって、ちゃんと顔に光が当たっているとわかったら、そこからアレコレと動かさない。自分がうごいていろんな角度から撮ってみるように心がけましょう。
以上、駆け足でライターのための超初歩的なカメラ撮影術を紹介しましたが、そもそも私の持論として、「撮影はプロのキャメラマンにまかせろ!」と思っています。やっぱりプロは出来上がりが違う。いくら素人のテクニックが圧倒的に向上したとはいえ、プロが撮るものは別格。それだけで読者を惹き付ける画になるのです。
今、カメラマンという仕事は非常に厳しい状態。仕事も減って、ギャラの単価も下がり、このままだと絶滅してしまうかもしれない。でも、私はそうなってほしくない。
なので、本音としては、ライターの人たちには「もうこれ以上、カメラが上手くならないでくれ」とお願いしたい。仲間たちの首をしめることになっちゃうよ。これ、けっこう切にお願いしたいことだったりします。