フリーランスで活動するライターにとってベーシックインカムは吉か、凶か?
今回は話題となっているトピック「ベーシックインカム」について書いてみようと思います。
最低限の生活を送るのに必要なお金が定期的に支給されるベーシックインカム。私のようなフリーランスで仕事をしている人にとっては、どんなメリット、そしてデメリットがあるのか。
フリーライターとして私なりの考察をしてみます。
まず、ベーシックインカムの導入によって、フリーライターにとって常に抱えている「明日、ご飯が食べられるかの不安」が解消される。これは大きいはずです。
どんなに売れっ子のライターでも、一人で活動している場合、将来の不安は常につきまといます。順調に活動していても、もしも取引先が倒産したら給料が入ってこないかもしれないですし、もしも病気をして仕事ができなくなったら、明日から稼げなくなるかもしれない。
さらに、いつまでこの仕事を続けていけるんだろうという不安もありますし、そもそもフリーライターの多くは、サラリーマンに比べて老後の備えが圧倒的に足りない人がほとんどです。
こうした不安から解放されることはフリーライターにとって大きなメリットなのではないでしょうか。
ベーシックインカム導入で、フリーライターは2タイプに分かれる
この不安から解放されることによって、いままで「明日の食いぶちのため」として引き受けていた仕事を受けなくてもよくなる。これも予想できます。
これは私個人の考えですが、せっかく“フリー”ライターになったのだから、自由に仕事をすべきです。やりたい仕事はしなくていい。自分のやりたいことをして生きていく(なんだかユーチューバーみたいで陳腐な表現ですが、、)のが正しいはず。
もちろん、世の中そんなに甘くないです。それでも今の「なんで、こんなクソみたいな仕事しなきゃなんないんだよ」というストレスから解放される。そういう意味ではベーシックインカムの導入はフリーライターにとって歓迎すべきものなのかもしれません。
とはいえ、社会全体を見ると、その分、税金も高くなるだろうし、物価だって高くなるかもしれない。ベーシックインカムをもらうことで、フリーランスはその分、他の国民のレベルに追いつくために、もっと稼がなくてはいけないということも想像できます。
すると、フリーライターは2つのタイプに分かれると思います。
私のような「とにかく稼ぎたい!」とあれこれと仕事をするフリーライターは今以上に働くようになる。一方で、最低限度の生活はできるので「趣味の延長としてフリーライターをしたい」という人はのびのびと仕事をするようになる。もしかすると今の私は「稼ぎたい!」と必死ですが、ベーシックインカムの導入によって、後者のタイプに考え方が変わるかもしれません。
ひとつ気になるのは、お金だけじゃなく自分の好きなことだけ書くということは、アウトプットとして、つまり雑誌や書籍、ウェブコンテンツなどの「質」がどうなるか。必ずしも好きなことを書いている人が優秀な文章を作っている訳ではなく、いやいやだけどレベルが高いということもありえます。うーん、どうなるんだろう。
最近、増えている「アーリーリタイア」ライターはもっと多くなる?
そうそう、ベーシックインカムとはちょっと違うかもしれませんが、最近、私の周りでは「アーリーリタイア」した、おじさん&おばさんライターが増えています。だいたい40代後半から50代くらいの方々。
もともとはサラリーマンとしてバリバリ働いていたけど、どうしてもフリーライターになりたくて、アーリーリタイアをして仕事をしている。彼ら彼女らは、これまでの蓄えと、ある程度の定期収入があるようで、私の知り合いの場合は、サイトを運営していて収益があったり、マンション投資で定期的にお金が入ってきたり、まさにベーシックインカム状態。
なので、「あとの人生は自分の好きなことをやりたい」とフリーライターとして悠々自適に活動をしています。
こうした人たちが増えている背景には「Webライター」という仕事が一般的になってきたことがあって、特に旅行系のサイトに自分の旅行記を寄稿していることが多い模様。もちろんWeb媒体は総じてギャラ単価は安いのですが、けっこううらやましかったりします。
私自身もWeb媒体でライターとして活動していますが、やはりメインは雑誌や書籍という古いタイプのフリーライター。まだまだWebをメインにするのには抵抗がありますが、今後ベーシックインカムが導入されて、そこまでギャラにこだわらない人が増えてくるのであれば、もっとWebライターは増えていくような気も。
ベーシックインカムに期待すること
最後に。これは完全に私の個人的な予想ですが、「脱東京」も進んでくれるかもしれません。
サラリーマンに見切りをつけてフリーライターとして活動するようになる。とはいえ、ベーシックインカムだけでの生活は東京では厳しいし、いきなりフリーになってもなかなか仕事を見つけるのは難しいので、地元に帰って「ご当地情報」を地元の媒体やWeb、さらに在京の媒体に向けて書くようになる。
いまやパソコンひとつあれば、いくらでも仕事ができる時代。脱サラしてフリーライターになるのであれば、東京にいる意味はありません。みんな東京なんて来ないで、地元をもっと愛しましょう。
そしてそして、願わくば、東京に出てきている人たちが田舎へと帰って、東京の人口が少なくなる。そして、私が満員電車が大嫌いな私が、快適に電車に乗れるようになる。それは素晴らしい!
ということで、東京生まれ東京育ちの私にとって、東京の人口が減ってくれるという長年の願いが叶いそうなので、ベーシックインカム大賛成!なのです(はい、完全に個人的かつ身勝手な意見です、スミマセン。ちなみに東京人代表として、そういう意味でも、私はけっこうブロガーのイケダハヤトくんが好きだったりする)
ちなみに、もしも本当にベーシックインカムが導入されたら、フリーライターというよりも、こうしたブログを使って個人で稼ぐ人ももっと増えるかもしれませんね。私もそこに可能性がある気がしてASPなどに登録して、一応勉強中だったり。やっぱりフリーライターにとって、今のままじゃいつ稼げなくなるかという不安は消えないので。
うん、やっぱり今後いろいろと自由に仕事ができるようになるためにも、フリーライターにはベーシックインカムは必要な気がします。