なぜコピーライターが書く「長文」は読みやすいのか?

短文だけじゃない!コピーライターに学びたい文章術

コピーライターというと、たいていは「暮らし感じる、変えていく」とか「お金で買えない価値がある」、「100人乗っても大丈夫」、「Just Do it」などなどのキャッチコピー、つまりは「短文」を考える人たちというイメージがあると思います。

 

でも、たとえば(好き嫌いは別として)糸井重里を代表するように、コピーライターの書く「長文」ってすごく読みやすい。(個人的には糸井重里はあまり好きじゃなくて、早く“本業”の徳川埋蔵金探しとマザー2を作っときゃあいいんだよと思ってますが)普通のライターとしても学ぶべきことはたくさんあります。

 

本来は「短文」が本職の人たちのはずなのに、なぜコピーライターが書く「長文」って読みやすいのでしょうか? 今回は私なりの考察をまとめてみます。

 

「書く」ではなく「伝える」人だから

コピーライターという仕事では、商品やサービス、さらには企業……とにかく「何か」について、「それが何かであるかを伝え」なおかつ「その魅力を伝える」ための言葉を考えています。

 

実は私も以前、何度かコピーの仕事を頼まれて経験したことがあるのですが、まずクライアントを納得させ、そして消費者を納得させる言葉を考えなくてはいけません。

 

だから自分はこう書きたい、という言葉では納得してもらえない。そうではなくて、とにかく「相手に伝わる」ことがゴール。

 

これって意外と長文になると意識しないもの。短文であるからこそ、シンプルだからこそ、どうやったら読んだ人に伝わるのかということを日々考えなくてはいけない。こうした言葉選びの積み重ね、つまりは伝わる短文の積み重ねが、コピーライターの読みやすい長文を生み出しているのです。

 

「ターゲットに合わせた文体」を追求しているから

世の中にはいろんな商品があって、いろんなターゲット層が存在します。どんな商品でもきちんとセグメントされていて、どの層に向けて買わせたいのかははっきりしています。

 

そのため自然と文体も、ターゲットに合わせて適切になっていくのが身に付いている。(これってコピーライターに限らず、書籍や雑誌のライターも普段から意識していることだったりもします)

 

ただ一方で、本音をいうとコピーライターはなるべく多くの層にウケたいという意識も身に付いちゃっているので、極力わかりやすい=ひらがなを使うようにしている。これは糸井先生の影響も強いかもしれませんが、とにかくコピーライターは無駄に難しい漢字は使わない。

 

たとえばポテトチップスを高齢者向けに売りたいとした場合、「此の歯応えは病み付きに成る」なんてもちろん書きません。それこそ小学生からおじいちゃんおばあちゃんまで、老若男女だれにでも読めなくてはいけない。アイドルを売り出す場合だって、中卒のヤンキーから海外の大学院生までさまざまな人たちに魅力を伝えなくてはダメ。なので、自然と誰にでも読めるような文体を使うようになっていくのです。

 

「字数制限」からの解放されるから

先ほど、私も何度かコピーの仕事をしたことがあると書きましたが、そのひとつがとある女性向けスポーツ商品のコピーを考えるという仕事でした。

 

クライアントからは「文字数はこれくらいで」「ナイキっぽくクールだけどホットな感じにして」「でも、ナイキのパクリに見せないでウチの良さを全面に出して」という無茶ぶりが当たり前のように飛んできます。

 

で、あれこれと考えるのですが、やっぱり短文で伝えようとするのはすごく難しい。もはや修行です。(そう思うと俳句や短歌のプロもすごいなー)

 

ギャラが良かったので引き受けた仕事も終わってみるとヘトヘト。で、次に普通の雑誌のライター仕事に取りかかったのですが、これが「はかどること、この上なし!」という状況で、いかに私がいままでダラダラと自由に書いていたのかを痛感しました。

 

なので、コピーライターの人たちが「長文」を書くときって、きっと楽しいのです。これまでの縛られていた自分からの解放。何万字でも書けるという自由を手に入れ、とにかくていねいにきちんと伝えようとする。意外とこれがコピーライターの長文が読みやすく、そして面白い一番の理由なのではないかと思っています。

 

 

 

ほかにも「そもそもコピーライターなんつー職業をしている奴らは、だいたいは電通やら博報堂のデキる人たちだから、当たり前のように文章も上手い」なんて理由もありそうですが、これ以上はあげ出してもキリがないので今回はこのあたりで。

 

私はいわゆるノウハウ本みたいなのは好きじゃないのであまり読まないのですが、こうした理由でコピーライターの方たちが書いた書籍はついつい手に取ってしまいます。コピーの勉強のためじゃなく、文章の勉強になるので。

 

どんなジャンルの書籍や雑誌、Webでもいいので、意識して「コピーライターが書いた文章」を読んでみると、意外と勉強になると思いますよ。

 

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