人気ランキングの結果が知名度ランキングになってしまう失敗

ライターという仕事をしていると、さまざまな雑誌やWebメディアで「◯◯ランキング」を担当するもの。

世の中にはいろいろなランキングが存在しますが、ここでライターとして、

「こんなランキングを企画したら面白いんじゃないか」

とユニークな切り口を考えられるかは腕の見せどころです。

ランキングには一定期間の結果(例えば2017年のCD売り上げとか)だったり、一般の人にアンケートを取ったり(好きな男、嫌いな男ランキングとか)、その分野に詳しい人たちに選ばせたり(評論家が選ぶ映画ランキングとか)、様々な方法で順位をつける必要がありますが、そこには当然「公平性」や「妥当性」が必要になります。

ようするに、ランキングに対して、読んだ人がある程度の納得感を持たせなくてはいけないです。

まぁこのあたりは当たり前のことだと思うのですが、意外と盲点なのが「そもそも企画として成立するのか」ということ。企画する側からすると、ここを見落としがちです。

例えば「好きな◯◯ランキング」の結果が単なる「知名度ランキング」になってしまうことがよくあります。

これ、企画した側の明らかな失敗だと私は思っています。(でも、巷には大手メディアに関わらず、こういうランキングは意外と多い!)

たいてい、こうしたアンケート企画をする場合、読者アンケートやアンケート調査会社を使うことが多いのですが、私たちが思っているよりもアンケートに回答する人はテキトーです。

特にアンケート調査会社の回答者は、協力すると何らかのポイント(お金や商品に交換できるやつ)がもらえるからという理由で答えていることが多く、年齢や性別、地域、職業、志向などセグメントはできるにせよ、その回答結果はわりと「ありきたり」なものになりがち。

もちろん、世論を反映するフラットな結果を求めているのなら、この方法で良いのですが、その多くが「知名度ランキング」になりがちなことは気をつけておかなくてはいけません。

目次

そのアンケート結果に意外性はあるか?

そもそも私のようなライターという仕事では、いかに面白い切り口でアンケートを企画するかが大事です。

なので、いわゆる普通にすでに調査されているようなアンケートを企画しても面白くない。そんなことは求められてない。

例えば、「好きなビールランキング」を世代を問わず全国に住む人に聞いたところで、企画にはならないということ。

ライターならば、これまで見たことがない結果が期待できるような「意外性」を大事にしなくてはいけません。

公平性と妥当性、そして意外性が合わさって、初めてランキング企画は成立するのです。

どうやって企画するか?

ざっくりいうと3つのポイントがあると思います。

まずは切り口。ここはアイデア勝負だったりしますが、大切なのは「今、アンケートを取る必然性があるか」、「今後も続けて企画できるか」ということ。これは企画する上でのヒントになるかと。

そして「誰に聞くか」も企画の幅を広げます。さきほど例にあげた「好きなビールランキング」というありきたりなものも、「バブル世代の独身女性に聞いた」とか「新成人1000人に聞いた」のようにすることで、多少のオリジナリティが出てきます。(まぁ、これでもまだありきたりですが)

最後に、これはWebメディアならではのコツとしてですが、読者コメントまでを含めて企画を考えるということ。

ネット記事でよく見かける「◯◯で打線を組んでみた」みたいな感じで、読者のコメント(ツッコミ?)を含めるまでが企画として面白いということも考えたほうがいいです。

さきほどのお伝えした納得感と反するかもしれませんが、納得だけじゃアンケートじゃなくて、単なる調査になってしまいます。いかに読者を裏切るか。これを考えてランキングを企画することも大切です。

どんなランキングを企画したら面白いか、を日々考えることはライターとしての成長につながると思いますよ。

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